インデックス投資で分散投資したいんだけど、S&Pのようなアメリカ株にするか全世界株にするか、どっちがいいの?どうせならより得な方を選びたい。誰か教えて。
こういった疑問に答えます。
正直に結論から言うと、誰も未来を予測することはできません。
どっちがいいか教えて=未来を予知して、なので、流石にそれは無理だよ。
ただ、この記事を読むことで、アメリカ株と全世界株投資の考え方を比較し、より納得してどちらのインデックスにするかを自分で選ぶことができるようになります。
一度納得したら、あとは投資してほっておけば良いだけ。
それぞれ代表的な投資のプロの言葉も引用して、比較の整理をしていきたますので、是非参考にしてください。
分散投資としてはどちらも優秀
アメリカ株のインデックス投資も、
全世界株のインデックス投資も、
どちらも対象インデックスに沿って自動的に分散投資する方法です。
- 自分で銘柄を調べる必要がなく、時間が取られない
- 分散投資でリスクを減らせる
- 低コスト
- プロが選んだほとんどのアクティブファンドより運用成績がいい
市場は予測はできないから全部もっておこう!という戦略で、世界(またはアメリカ)が発展して行く限りは、長期的に負けることはほぼない方法です。
つまり、「アメリカ株式インデックス投資信託(S&Pなど)」を選んでも「全世界株式のインデックス投資信託」を選んでも、両者の投資方法の「方向性」が大きくずれている訳ではありません。
そうなの?じゃあ違いは何?
分散の範囲の違い | アメリカ VS 世界
S&Pなどの全米株、VTなどの全世界株の違いは、分散投資する範囲です。
「アメリカ全部」か「世界全部」。
分散投資してリスクを減らすインデックス投資という方法を選びつつ、より良いリターンを狙って選択と集中をすることで、よりリスクを取っているのが「アメリカ株のインデックス投資」になります。
インデックス投資はさらに「投資する地域」を選ぶのかぁ。
これはけっこう難問だね。
うん、選ぶのが面倒でリスクを取りたくない人は「全世界」になるかな。
では、「アメリカ株派」「全世界派」の投資理念を見ていきましょう。
アメリカ株式インデックス投資(S&Pなど)が良い理由一覧
アメリカ株派の言い分をまとめてみました。
- 長期で右肩上がりしている成長性
- 先進国の中でも人口が短期的には減らない国
- 年齢別人口の比率(高齢化社会ではない)
- 金融法制がしっかりしている(インサイダーとか困難)
- 株主への還元率の高さ
- グローバル企業によって、全世界の成長の恩恵はアメリカ銘柄で受けられる
- 新しいIT会社が生まれる土壌(Google, Amazonなどなど)
アメリカは、近年IT技術などで大幅に成長した国であり、途上国のようにインサイダーなどが起こりにくく、株主を大切にする法制度が整っており、経済成長に必要な人口の増加も予測されています。
上記の通り勢いがあるアメリカは、現在全世界株でも約7割を占めています。
すごいいいじゃん!アメリカ株買おう!
そう思うよね。笑
でも、市場は予測できない、というのがそもそもインデックス投資を選んだ理由だったことは忘れないようにね。
投資のプロのアドバイス:S&P500編
全米インデックス(S&P)信奉者が口を揃えて言うのは「ウォーレン・バフェットも勧めてるから」というもの。
株主への手紙(原文)でこのようにいったことがもとになっています。
訳するとこんな感じです。
プロではない個人投資家の目的はパフォーマンスの良い銘柄を選ぶことではないし、それを実際にするのは難しいでしょう。むしろ大切なのは概してうまくいきそうなビジネスに広く投資することです。S&P500に連動する低コストのインデックスファンドに投資することによりこの目的は達成できるでしょう。
自分の死後の遺産運用についてもこのように残しています。
私から管財人へのアドバイスはこれ以上ないほどシンプルです。「10%の米国短期債を買い、残る90%のS&P500に連動する低コストのインデックスファンドを買う」のが良いと思います。(バンガードのインデックスファンドを勧める)。おそらく、これで運用された長期の成績は、例えば高いコストでファンドマネージャーを雇っている年金基金や運用機関など多くの投資家より優れたものになるでしょう。
全世界株式インデックス投資が良い理由一覧
全世界株派の言い分をまとめてみました。
こちらはシンプルです。
- 世界は長期的に成長していくだろう
- そして、必ず変化は起こるだろう
- どの国が最も成長するかはわからない(アメリカかもしれないし中国やアフリカかも。全部かも)
- 全世界株式には、その時調子が良い国を時価総額に合わせて保有できる。
- (どの国が上がっても下がっても)心穏やかでいられる
- そもそもインデックスって市場平均に投資するもの
全世界株式時価総額の動きでいうと、アメリカの割合は1900年約15%、2017年約51%、2020年約70%と推移しています。
この10年はアメリカが強かったけど、先は分かりません。
それは、Japan as No.1から一転、失われた30年を過ごした私たち日本人は身をもって経験してきたことです。
だからこそ全世界株式は「市場に広く分散する」を実践する投資方法です。
なるほど、より色気をだして勝つことよりも、より負けないことを大切にしているんだね。
そうだね、アメリカ一国だけじゃなくて、アメリカも含んだ全世界の成長に乗っかる投資だね。
投資のプロのアドバイス:全世界株式編
全世界株式一本派は、もちろんこのお二人でしょう。
インデックス投資を広めた「ウォール街のランダムウォーカー」の著者バートン・マルキールと「敗者のゲーム」のチャールズ・エリス。
引用元は2人のカリスマによる共著「投資の大原則」(これ、孫に残すために書いたというだけあって、それぞれの単書より読みやすいのでおすすめです。)
長期投資は、手数料の安いインデックス・ファンドにするといい。株式投資の中で最もおすすめは、全世界の株式市場インデックスに連動するインデックス・ファンドだ。
「投資の大原則」より
私たちは、資産は全世界に分散投資することを勧める。アメリカの経済は全世界の経済活動と株式市場の規模から考えると半分以下でしかないからだ。
株式インデックス・ファンドで重要視するのは、全世界の株式市場に投資するファンドだ。アメリカ株は世界の株式市場の40%をしめるにすぎない。アメリカ人は車を日本とドイツから買い、ワインはフランスやオーストラリアやチリから買う。そして、衣料品は中国、ベトナム、インドネシアなどから買っている。同様に、あなたの株も世界中から買うべきだ。
「投資の大原則」より
たとえば有名なS&P500大企業インデックス・ファンドのような投資先を限定したファンドは勧めない。S&P500はアメリカで取引されてる株全体の70%を占めるだけだからだ。30%を占める残りの中小企業の多くは積極経営の活力に富み、将来急成長する可能性が高い。
「投資の大原則」より
なぜ全世界がいいのか、参考になりますね。
筆者の選択は・・・
なるほど、なんとなく違いはわかったよ。で、君は結局どっちにしたの?
選択したのは、全世界。アメリカの動向にいちいち一喜一憂しないで済むのが気楽だし、世界に投資している気分も好きだよ。笑
筆者は自営業なのもあって、それ以外ではできる限り精神的なストレスを軽減したいと思っています。
下記の点から全世界株式の方が自分には良いと判断しました。
- 市場が正義というシンプルさが好み
- せっかくインデックスで市場全体に分散投資してるんだから、自分の思惑はいれない
- 世界は発展すると思うけど、30年後もアメリカがずっと勝ち続けるか自分には分からない
- リバランスするのは面倒
- アメリカ株が下がっても凹まない精神的効能
現在全世界株式の7割をアメリカ株が占めているので、どのみちアメリカの動きが全世界株にもダイレクトに影響します。
アメリカ株が上がったら喜べ、アメリカ株が下がっても(アメリカ株だけにしていたより)凹まないでいられる気がします。
あと、コロナ禍時に「結局、どの株買っても一緒だな」と痛感したことも大きいです。
結果に大差がないなら、より精神的に楽な全世界株式がいいかな、と考えました。
世界は密接に繋がっているのだし、もうしのごの言わずに世界一本でいいじゃんって考えです。笑
全世界株式の具体的な銘柄の比較はこちらの記事を参考にしてください。
使わないと勿体ない、お得な積み立て方法(無料でできる)
投資信託の購入方法として『クレジットカードでつみたて購入する』と実質一番の低コストが実現できます。
なぜなら投資金額からポイントが還元され、無料で得たポイントを次の投資に回せるからです。
忘れると勿体ないので、必ずチェックするようにしましょう。
楽天証券は、楽天カードでキャッシュを利用して積立投資を決済すれば購入額の0.2~1%のポイントがつきます。そのポイントを再投資してもいいし、もちろんお買い物に使うこともできます。
SBI証券も、三井住友カードで積み立て投資をすると、購入額の0.5~5%のポイントがもらえます。それを再投資したり、クレジットカードの返済に使えます。
条件や細則があるから、チェックしてね。
毎月の額は少額でも、長期間の総額でみるとこれが大きな差になります。
単利ですが投資額の1%も確実に回収できるというのは大変有り難いとしか言えない厚遇。
血眼になって信託報酬率の0.01パーセントの差を気にしている場合ではない額です。
共に月額5万までという制限付きですが、両者ともつみたてNISAにも対応してます(iDecoは不可です)。
メリットしかないため、筆者は両方とも利用しています。
つみたて投資を始める人は会費も無料で得しかないので、後で後悔しないようにこの方法は必ず念頭に置くようにしましょう。
まとめ
インデックス投資の中で、最も華やかなアメリカ株投資(S&P500)
VS.
どう転んでも大丈夫な全世界株インデックス投資
いかがだったでしょうか?
答えは出ましたでしょうか?
決めるの面倒だから、もうシンプルな全世界にしようかな。
うん、単純さや、利益追及など、自分の投資方針と合うものを選んでね。もちろん2つ持つのもありだよ。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは、今日も気楽にいきましょう!