現在人気の、全世界株式インデックス・ファンド3本を比較します。
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
さらに、全世界株式インデックス・ファンド国内ETFの情報も追加しました。
- MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 [銘柄コード:2559]
コスト・つみたてNISA・iDecoなどの点もチェックしていきます。
投資信託のコストは、最初からわかっている信託報酬率が最も大きく、その他に運用状況によって毎年変わる(※事前には分からない)❶銘柄を売買する際の手数料、❷外貨建て資産の保管費用、❸監査報酬などがかかります。当記事では事前にわかっている信託報酬率を、コストの大半として参考にします。
❶SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))
早速結論から書くと、「市場全体を自分のポートフォリオにする低コストな投資信託」という目的においては、数字上は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」が現地点では最も主旨に沿っている言えます。
理由は下記2点:
- 市場の98%をカバーするFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを採用している
- 信託報酬が最も安価である(ETF除く)
では項目を確認していきましょう。
運用(委託)会社 | SBIアセットマネジメント |
純資産 | 46,633百万円 |
ファンドの管理費用(信託報酬 (税込)/年 含む) | 0.1102%程度 |
ベンチマーク | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) |
銘柄数|時価総額カバー率 | 約8,000銘柄|約98% |
投資先ファンド | 主に「グローバル株式インデックスマザーファンド」 |
NISA・つみたてNISA対象 | ○ |
iDeco対象 | ○ (SBI証券) |
SBI証券であれば、しっかりとiDecoの対象商品にもなっていますね。
「低コスト」で「全世界の株式への投資が可能」というユーザーニーズを、しっかり有言実行しているファンドだと思います。
大型株だけでなく、これから伸びてくる中型株、小型株にも投資できるのが魅力です。
純資産も徐々に増やし、目安と言われている100億も有に超え、低コストな全世界株式として人気があります。私もこちらを購入しています。
❷楽天・全世界株式インデックス・ファンド【愛称】楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)
世界で最も人気の全世界インデックスファンド、それが通称VTと呼ばれる「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」です。
このVTに日本でもNISAなどの税制上有利な制度を使って購入することを可能にしたのが「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。
「みんなが口を揃えて言うバンガードって何?」とバンガードの魅力を知りたい人は「投資の大原則〜人生を豊かにするためのヒント」と「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」がオススメです。
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」と同様、市場の時価総額の約98%をカバーすることが出来ます。
運用(委託)会社 | 楽天投信投資顧問 |
純資産 | 461,511百万円 |
ファンドの管理費用(信託報酬 (税込)/年 含む) | 0.162%程度 |
ベンチマーク | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) |
銘柄数|時価総額カバー率 | 約8,000銘柄|約98% |
投資先ファンド | 主として「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」 |
NISA・つみたてNISA対象 | ○ |
iDeco対象 | ○ (楽天証券) |
純資産額は大規模で安定していますが、管理コストは雪だるま(全世界株式)の倍です。
VT人気による手数料の高さがネックです(とはいえ、数年前に比べたら格段に安くなっている)
手数料が多少高くても、人気ファンド「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」がいいんだ!っというこだわりがある人はこの「楽天・バンガード・ファンド」になります。
VTは流動性の点からもアメリカ人が羨ましいくらい気になりますが、アメリカでは0.05%の手数料で為替リスクもないから人気があるわけです。
もしくは皆さんアメリカ株のVTを直接購入されています。
お金を増やす投資において手数料が高いのをわざわざ選ぶのは本末転倒、私は購入には至りませんでした。
中級者以上になってVTを直接購入がいいと思います(最近は、手数料無料で日本からもアメリカ株の積み立てができるようになりました!)。
❸eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
3つ目は、おなじみの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
こちらも国内最低水準のコストで、安心の純資産額。
コストの低さから、世界株式インデックスの中で現在急速に人気を伸ばしている優良な投資信託です。
前述の2ファンドとは異なり、時価総額の85%をカバーするMSCIをベンチマークに使用しています(違いはこのあと解説)。
運用(委託)会社 | 三菱UFJ国際 |
純資産 | 390,531百万円 |
ファンドの管理費用(信託報酬 (税込)/年 含む) | 0.1144%以内 |
ベンチマーク | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース) |
銘柄数|時価総額カバー率 | 約3,000銘柄|約85% |
投資先ファンド | 「外国株式インデックスマザーファンド」、「新興国株式インデックスマザーファンド」および「日本株式インデックスマザーファンド」 |
NISA・つみたてNISA対象 | ○ |
iDeco対象 | ○ (マネックス証券) △(SBI証券で(日本除く)) |
iDeco商品としてもマネックス証券で取り扱いがあります。
*SBI証券では、日本株を含まない「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」のみが対象となっているため△としました。
MSCIとFTSEのベンチマークの違い
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、前述の2つの投資信託との大きな違いは、ベンチマークにMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスが使われていること。
この2つの指標の最も大きな違いは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、大型株だけではなく、中型株・小型株も含むのですが、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの方は大型株のみで構成されている点です。
中型・小型株の取り扱いが焦点です。グラフにしました。
・SBI・全世界株式インデックス・ファンド ・楽天・全世界株式インデックス・ファンド | ・eMAXIS Slim 全世界株式 | |
指標 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
大型株 | ○ | ○ |
中型株 | ○ | × |
小型株 | ○ | × |
銘柄数 | 約8,000 | 約3,000 |
時価総額 | 98%カバー | 85%カバー |
そのため時価総額に対する割合がFTSEの98%に対し、MSCIは85%という差になっています。
とは言え、カバーすれば良いというものではなく、大型株が牽引する市場になればMSCIの方が結果はよくなるでしょうし、逆に中小型株が伸びるマーケット環境であればFTSEの方がパフォーマンスはよくなります。
また、インデックス投資のそもそもの存在意義として、どれほどきちんとインデックスに連動するか(トラッキングエラー)によっても各ファンドの運営成績は違いが出てきますから、悩ましい(っというか事前にはわからない)選択となります。
国内にも、全世界株式にETFという選択が遂にきた!
上記3つの投資信託に加えて触れておきたいのが、日本国内でも遂に登場した全世界株式ファンドのETFです。
これまで日本国内に「全世界株式のETF」は存在していなかったので、革新的と言えます。
全世界株式インデックスを愛する私個人としても、大注目株。
❹MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 [銘柄コード:2559]
内容は、実は実質的には3つ目に紹介した「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のETF版なんです。
同じベンチマークに基づき、同じマザーファンドで構成されています。
特徴をあげると
1. 全世界株式の最低コストを実現
年率信託報酬は0.0858%という圧倒的に安い信託報酬率です。
株なので売買時に現物取引手数料がかかりますが、その割合を高めの0.0011%と考慮しても0.0869%です。
取引手数料率の0.0011%という数字は、楽天証券の現物取引手数料(5万以下で55円〜3000万超で1,070円)の中で、手数料の割合が高い5万円で算出した場合を参考にしました。
2. 二重課税調整制度の対象候補
2020年より、外国での徴税分が対象銘柄は自動的に調整されるようになるので、米国株ETFの人気銘柄であるVTように面倒な外国税額控除申請をしなくてすむようです(画期的すぎる!)
3. 配当金は再投資できない
上場した国内銘柄扱いなので、配当金が毎年分配されます。
紹介した3つの投資信託のように「分配」か「再投資」を選ぶということができません。
4. 流動性への懸念
2020年1月9日上場で、現在の純資産は27.38億円(2021年12月現在)
まだまだ純資産が潤沢ではないので、売りたいときに適正価格で売れるのか、という懸念はありますが、マーケットメイク制度の対象なので、ある程度担保はされています。
5. 株なので指値買いできる
投資信託とは違い、その場で指値で買うことができます(投資信託の場合は注文から3日後)。
6. NISAの対象です。
低コストの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と同内容でありながら、信託報酬はさらに25%も少ないので、これは検討に値しますよね!
純資産がまだ未熟なので、今回は情報までですが、大いに注目する価値のある全世界株式インデックスファンドです。
3つのうち、どれがいいのか。
今回3本を比較し、現在、市場全体にもっとも低コストで投資できるのは、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」でした。
ただ、どれを選んだとしても資産形成に大きな影響はないだろうとも思います。
・どちらのベンチマークが良い結果を出すか、というのは誰にも分からないし
・過去の評価がよく、今までトラッキングエラーが少ないファンドあからと言って、今後もそうだとは言えないからです。
どれを選ぶかよりも、早めに始めるの方が大事かと思います。
下記のポイントを参考にしてみてください。
考え方と好みで選ぼう
低コスト派
似たようなパフォーマンスなのだとすれば、管理コストによって差が生まれることにます。
その点では、
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
が有利となります。
ちなみに、さらに低コスト化する方法があります。
実質最低コストの購入方法 ※無料でできる。
投資信託の購入方法として『クレジットカードでつみたて購入する』と実質一番の低コストが実現できます。
なぜなら投資金額からポイントが還元され、無料で得たポイントを次の投資に回せるからです。
忘れると勿体ないので、必ずチェックするようにしましょう。
楽天証券は、楽天カードでキャッシュを利用して積立投資を決済すれば購入額の0.2~1%のポイントがつきます。そのポイントを再投資してもいいし、もちろんお買い物に使うこともできます。
SBI証券も、三井住友カードで積み立て投資をすると、購入額の0.5~5%のポイントがもらえます。それを再投資したり、クレジットカードの返済に使えます。
条件や細則があるから、チェックしてね。
毎月の額は少額でも、長期間の総額でみるとこれが大きな差になります。
単利ですが投資額の1%も確実に回収できるというのは大変有り難いとしか言えない厚遇。
血眼になって信託報酬率の0.01パーセントの差を気にしている場合ではない額です。
共に月額5万までという制限付きですが、両者ともつみたてNISAにも対応してます(iDecoは不可です)。
メリットしかないため、筆者は両方とも利用しています。
つみたて投資を始める人は会費も無料で得しかないので、後で後悔しないようにこの方法は必ず念頭に置くようにしましょう。
VT&純資産重視派
バンガード社の運営スタイルに共感し「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(通称VT)」がどうしても良い人や、純資産額を優先したい人は「楽天バンガード(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)」も候補になるでしょうし、
大型株派
コロナ危機の今、中型・小型株は持たず世界中の大型株の成長に期待したい人は「eMAXIS Slim 全世界株式」が合うでしょう。
市場そのものが正義派
大型株のみとは逆に、これからの成長が期待できる小型株・中型株も大型株に合わせて持ち、時価総額98%に対してあまねく投資したい人は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天バンガード(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)」が候補になります。
本当に好みの世界ですよね。でも、まぁ商品なのでそういうものです。
もうどれでもいい!ってなった人は、手数料が安いどちらかを選んでください。
最後に大事なこと。
投資信託を買う際は、NISAやiDecoで節税対策もお忘れなく!これがとっても大きな差になります。
今回紹介した3本は、全てNISA・つみたてNISA対象商品です。
まだNISA口座ないやって人や、NISA枠残ってるって人は、必ずNISA枠で投資信託を購入するようにしましょう。
またiDecoも証券会社によって対象です。
将来まで降ろす予定がない人は、iDeco枠で積み立てましょう。
ではでは、今日も気楽にいきましょう!
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