私は全世界株式のインデックスファンドに投資していますが、ETF(上場投資信託)もいいなと思っています。投資信託と比較してみました。
比較したのは
- 【ETF】バンガード トータル ワールド ストックETF (VT)
- 【投資信託】楽天・全世界株式インデックス・ファンド
です。
VTは米国株で、楽天・全世界はそのVTに投資している国内投資信託です。
結論から言うと、
- 上級者には、トータルコストは安いが知識と経験が必要なETF
- 初心者には、手間がかからない投資信託
が良いと感じました。
VTを買ってみたかったのですが、自分にはハードルが高いと感じたので投資信託(しかも楽天じゃない)または国内ETFが良さそうです。
なぜこう考えたかのポイントを、共有しますね。
投資パフォーマンスはほぼ同じ
「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」は大型株のみならず、中型株、小型株にも投資することで時価総額の98%をカバーする、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを指標としています。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの構成概要
指標 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
構成 | 先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の大型、中型、小型株 |
銘柄数 | 約8,000銘柄 |
時価総額カバー率 | 98%以上 |
分散投資という観点からはもちろんですが、「全市場を持つ」というコンセプトをほぼ実現している内容です。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」はこの「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資するファンドなので、2つのパフォーマンスはほぼ同じと考えていいでしょう。
コスト面:より低コストなのはどっち?
100万円分を10年持つとして大体維持コストがいくらかかりそうか、それぞれ計算してみました。
といっても、本当にざっくりの計算です。(参考程度にどうぞ〜)
結果は当然といえば当然ですが、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」を個人で直接買った方が、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を通して同じVTを買うより安いです。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの手数料・コスト
購入時手数料 | なし |
経費率 | 0.08% |
今日のレートと価格で買い付けたとすると、下記の通りです。
SBI証券、楽天証券などでは指定ETFの売買手数料が無料に!かなり、海外ETFへの投資環境は整ってきていますね。
購入時手数料:0円(去年は2,500円ほどかかっておりました)
売却時手数料:0円(同様)
年間管理報酬:8,000円 (1,000,000円×0.08%×10年)
合計:約8,000円
※概算です。実際は為替・価格変動により変わります。
ETFの、売買手数料が無料になったのは本当に凄いことです。。。しみじみ
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の手数料・コスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.212% |
購入時手数料:なし
年間管理報酬:21,200円 (1,000,000円×0.212%×10年)
合計:約21,200円
※概算です。実際は利益や価格変動・複利効果により変わります。
本家のVTと比べると、コストが約2.65倍かかることになります。
投資信託のコストは、最初からわかっている信託報酬率が最も大きく、その他に運用状況によって毎年変わる❶銘柄を売買する際の手数料や、❷外貨建て資産の保管費用、❸監査報酬などがかかります。当記事では事前にわかっている信託報酬率を、コストの大半として参考にしています。
ちなみに、「全世界株式インデックス・ファンド比較」で紹介した
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))
- MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 [銘柄コード:2559]
だと、より低コストになります。
この2つの信託報酬率もみてみましょう。
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の手数料・コスト
VTや楽天バンガードと同じく、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを指標としたインデックス・ファンドです。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.1102% |
購入時手数料:なし
年間管理報酬:11,020円 (1,000,000円×0.1102%×10年)
合計:約11,020円
※概算です。実際は利益や価格変動・複利効果により変わります。
同じインデックスを目指す投資信託でありながら、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の約半分となっていますので、一考の価値がありそうです。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の手数料・コスト
大型株のみで時価総額カバー率85%の、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを指標としたインデックス・ファンドです。
購入時手数料 | なし |
信託報酬 | 0.0858% |
購入時手数料:約535円
売却時手数料:約640円
年間管理報酬:8,580円 (1,000,000円×0.0858%×10年)
合計:約9,755円
※概算です。実際は利益や価格変動・複利効果により変わります。
今回は10年で計算していますが、20年、30年となれば信託報酬率の安さの恩恵は増しそうです。
米株であるVTとの違いは、二重課税調整制度の対象候補であること。
外国での徴税分が自動的に調整されるので、米国株ETFであるVTのように面倒な外国税額控除申請をしなくてすむようです(画期的!)
純資産がまだ未熟なので、今回は情報までですが、大いに注目する価値のある銘柄です。
もう少し詳しく知りたい人は全世界株式の記事を参照ください。
運用が大変なのはどっち?
コストが安いのは海外ETFであるVTだということがわかりましたが、老後のための資産づくりとして運用が面倒なのはどっちか、という視点でみていきます。
ぶっちゃけ、ここが判断の肝になる部分です。
VTも楽天バンガードも、資産運用に向いた下記のような共通メリットを持っています。
- 100円、または10ドル(現在約1,100円)の少額から購入可能
- 売買手数料が無料
- NISAの対象
積み立てに向いたメリットといえます。
では逆に、事前にしっておきたいデメリットを確認していきましょう。
海外ETFの運用デメリット
海外ETFであるVTを購入前に知っておきたいポイントは下記4つです。
- 円とドル間で為替手数料が売買時に発生する
- つみたてNISAの対象ではない(NISAは対象)
- 配当金が自動で再投資されない(毎年小切手で分配)
- 配当金はアメリカと日本で二重に課税されるので、「外国税額控除制度」の確定申告が必要となる
個人的には5つ目で、一気にやる気がなくなりました、、、気持ちのハードルが高いっす。
投資信託の運用デメリット
海外ETFに比べると、国内投資信託は相当するデメリットがないと思われますが、
追加のメリットはあります。
- つみたてNISAの対象商品でもある
- 配当金を自動的に投資信託で再投資してくれる
しっかり税控除が受けられ、自動で複利の恩恵を受けられるので、資産形成にはぴったりなんじゃない?
まとめ
ここまでをまとめると、
「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」の方が「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」よりも確かに低コストだが、二重課税控除ための確定申告が必要になるなど、知識と経験がない初心者には運用上の負荷がある。
っということが分かりました。VTは初心者にはハードル高くて、二重課税されちゃうかも。
ついでに、
同じFTSEとの連動を目指す投資信託「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」のコストの約半分で済む
ということも分かりました。
自分で「外国税額控除制度」を利用した確定申告するのとか無理!って人は、VTと同じFTSEの指標を目指す「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」も検討の価値ありかと思います。
実質最低コストの購入方法 ※無料でできる。
全世界株(FTSE指標)の積み立ての場合は、『つみたてNISAで「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」を楽天証券で楽天カードで購入する』のが実質一番の低コストが実現できます。
楽天証券は、楽天カードで積立投資を決済する場合に限り購入額の1%のポイントがつきます。そのポイントを再投資してもいいし、もちろんお買い物に使うこともできます。
これは楽天グループだからできる大技で、他の証券会社にはないメリット。
投資額の1%も確実に回収できるというのはかなり素晴らしいことで、信託報酬率の0.01パーセント差の比ではありませんね。
月額5万までという制限付きですが、つみたてNISAでもこの方法が使えます(iDecoは不可)。
私も、このメリットのためだけに楽天カード作りました(5000円分もポイントもらえた。笑)
ちなみに、楽天の上記メリットを使いつつ「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」を購入することが可能ですよ。
どちらがオススメか:
- 上級者には、トータルコストは安いが、知識と経験が必要なETF(VT)
- 初心者には、手間がかからない投資信託(SBI全世界株式が良さそう)
以上、少しでも参考になったら幸いです。
老後にたんたんと備えて行きましょう。
私のバイブル本:「投資の大原則〜人生を豊かにするためのヒント」
このページをお読みの方で、もしまだこの本を読んでいない方がいたら、ぜひ読んで欲しい本を1冊だけ紹介します。
インデックス投資の両巨頭の長所で、私が全世界株式に興味をもつきっかけをくれた本です。
VTの存在もこの本で知りました。
初心者向けの読みやすくよい本なので、投資の間違いを防ぐ安い投資と思って一読をオススメいたします。