コロナショックで久しぶりに全世界の株が落ち、そして(金融政策が効いて)戻ってきています。
このタイミングで、資産クラスごとにコロナ時期を含むこの1年の値動きを比較し、今後の資産配分の参考にしたいと思います。
※2019/6/10~2020/6/11の1年間です。

有事の時は値動きが顕著なので、比べやすいですね。
結論をネタバレすると、
- 株価は全世界がかなり連動している(じゃあ全世界株でいいんでは?)
- 債券は株価に連動しない(しかし、リスク軽減になってる?)
です。
では、各資産のグラフを見てみましょう。
それぞれのインデックスの動きをみてみる
各資産クラスのここ1年の値動きを比べてみます。
チェックする資産クラスは下記。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 全世界株式
- 日本債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 全世界債券
- 国内REIT
- 先進国REIT
- 新興国REIT

チェックしたいのは、世界的に株価が下がる中、反対の値動きをするものがあるのか、あまり下がらなかったものがあるのか、です。
確認したチャートは、低コストのインデックスファンドとしてメジャーなeMaxis Slimシリーズを中心にしました。
全て円換算ベースです。
株式の1年の動き
国内株式のインデックスファンド
TOPIX平均株価を指標とする「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」の過去1年の動きが下記の通りです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+13.9%まで膨らんだ後、ー19.80%まで減り、現在+6.65%です。
日経平均の指標とする「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」の1年の値動きは下記の通りです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+14.56%まで膨らんだ後、ー20.84%まで減り、現在+11.33%です。

動き方はほぼ一緒、値動きの幅は日経平均の方が大きかったようです。
先進国株式のインデックスファンド
MSCIコクサイ・インデックスを指標とする「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の1年の値動きが下記です。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+19.1%まで膨らんだ後、ー22.87%まで減り、現在+7.81%です。

アメリカが先導する世界の景気に日本株も引っ張られるので、落ち込んでるポイント上がっているポイントは先進国株、日本株ともにほぼ同じです
先にコロナがアジアで流行ったので、国内株式の方が先進国株式より先に下がり始めていますが、米国株が落ちた瞬間に日本株も落ちが早かったですね。
ちなみに全米株インデックスの動きは「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を参考にすると下記の通りです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+21.43%まで膨らんだ後、ー21.77%まで減り、現在+11.02%です。

先進国を率いているのはやはり、時価総額も多いアメリカですね。
では、新興国の1年間の値動きはどうだったのでしょうか。
新興国株のインデックスファンド
MSCI エマージング・マーケット・インデックスと連動している「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+15.61%まで膨らんだ後、ー23.07%まで減り、現在+0.5%です。

大国のマイナスの影響が来るわりには、プラスの影響は届いていない感じですが、上下するタイミングは連動してます。
では、今までの資産クラスと全世界株式の1年の値動きを比較してみましょう。
世界株式のインデックスファンド
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の1年がこの動き。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+17.60%まで膨らんだ後、ー22.16%まで減り、現在+6.81%です。
先進国株(つまりほぼアメリカ)の動きと連動してます。
現在は全世界株の55%をアメリカ株が占めています。
(株式)インデックス投資の傾向まとめ
株式の資産クラスの値動きのピークを表にまとめてみます。
コロナ前ピーク | 値下がり率 | 6/11現在 | |
国内株式(TOPIX) | +13.9% | -19.80% | +6.65% |
国内株式(日経平均) | +14.56% | -20.84% | +11.33% |
先進国株式 | +19.1% | -22.87% | +7.81% |
米国株式 | +21.43% | -21.88% | +11.02% |
新興国株式 | +15.61% | -23.07% | +0.05% |
全世界株式 | +17.60% | -22.16% | +6.81% |
2020年6月11日以前の1年の値動きはこうだったということで、この先を示すものではありませんが、言えるのは
現在は、アメリカの株価が落ちるタイミング、上がるタイミングに全世界の株が連動するようだ
ということです。

どのインデックスを買うか考える前に、全世界の株価は連動している、とうのを知るのが大切だと感じます。
では、債券はどうだったのでしょうか?
債券の1年の動き
一般的に債券は、株式とは違う値動きをするので分散効果が働き、期待リターンをあまり減らさずにリスクを効率的に下げることができる、とされています。
国内債券のインデックスファンド
NOMURA-BPI総合に連動する「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に-0.93%まで減った後、+0.76%まで上がり、現在-1.36%%です。
こちらが、5年間の動きです。

先進国債券のインデックスファンド
FTSE世界国債(除く日本)に連動する「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+6.4%まで膨らんだ後、+1.04%まで減り、現在+6.1%です。

債券の動きは、国内と先進国では違いますね
一見高金利のように見えますが、金利差や為替リスクを考えると、老後を円で使う予定の日本人に手放しで進めるものではない、ということは伝えておきます。
新興国債券のインデックスファンド
JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイドに連動する「eMAXIS 新興国債券インデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+8.95%まで膨らんだ後、-11.07%まで減り、現在+2.06%です。
全世界債券のインデックスファンド
「楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+5.43%まで膨らんだ後、+0.15%まで減り、現在+3.95%です。
(債券)インデックス投資の傾向まとめ
債券の資産クラスの1年の値動きのピークを表にまとめてみます。
コロナ前ピーク | 値下がり率 | 6/11現在 | |
国内債券 | -0.93% | 0.76% | -1.36% |
先進国株式 | +6.4% | +1.04% | +6.1% |
新興国株式 | +8.95% | -11.07% | +2.06% |
全世界株式 | +5.43% | +0.156% | +3.95% |
債券のチャートの左の単位が5%単位で、株価との比較がしづらいです。
そこで、下のチャートでは、全世界株の値動きの上に、全世界債券の動きを載せてみました。
矢印で指した薄い色の線が全世界債券の動きです。

この1年の値動きはこうだったということで、この先を示すものではありませんが、
債券は、株と逆の動きをしている訳ではないが、株価の値動きに影響を受けづらい
ということが、わかりました。
株によるリスクは確かに減らせそうですが、リスクを減らしたいという意味では、金利差や為替リスクを考えると外国債券は弱いと感じます。
国内債券もごらんの感じなので、ここはやっぱり「個人向け国債(変動金利型10年満期)」かなぁ、と。
REITの1年の動き
REITは株・債券に比べると市場価格規模ははるかに小さく数%に満たないので、私は無理して資産に組み入れなくてもいいと考えてますが、値動きだけみておきましょう。
国内と先進国のREITインデックスファンドの動きです。
国内REITのインデックスファンド
「Smart-i Jリートインデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+19.18%まで膨らんだ後、-38.9%まで減り、現在-5.44%です。
先進国REITのインデックスファンド
「Smart-i 先進国リートインデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+14.94%まで膨らんだ後、-36.59%まで減り、現在-9.52%です。
新興国REITのインデックスファンド
「eMAXIS 新興国リートインデックス」の1年の動きです。

1年前を起点とすると、基準価額はコロナショック前に+9.65%まで膨らんだ後、-46.31%まで減り、現在-26.80%です。
(REIT)インデックス投資の傾向まとめ
REITの資産クラスの1年の値動きのピークを表にまとめてみます。
コロナ前ピーク | 値下がり率 | 6/11現在 | |
国内REIT | +19.18% | -38.9% | -5.44% |
先進国REIT | +14.94% | -36.59% | -9.52% |
新興国REIT | +9.65% | -46.31% | -26.80% |
この1年の値動きはこうだったということで、この先を示すものではありませんが、
REITは、株価が落ちる社会要因に引っ張られて落ちるが、株のようには戻らない
ということが、なんとなくわかりました。
比較で見えてきたもの
1年前を起点に見ると、コロナ時期を含めても株価は値上がりをしており、債券も日本債券クラス以外プラスです。
参考にみていたREITは一転、全て大幅なマイナスの状況です。
株式インデックス投資信託
コロナウィルスは中国武漢を起点に全世界に広がり、経済はアメリカに全世界が連動。
そのぐらい世界はすでに密接に繋がっています。
株価も全世界が連動しています。

ではやはり世界の成長に乗っかれる、全世界株式一本でいいのでは、というか、むしろ新興国株式100%でなければ、どの株式クラスのインデックスでもいいのかもしれません(笑)
債券インデックス投資信託
株式と違う安定した動きを期待するならば、国内債券または全世界債券が良さそうです。
ただ、外国債券は金利差や為替リスクを考えると、リスク低減になるか疑問も残ります。

国内債券か、むしろ、元本保証がある国債を直接買うのが良いかなぁ、と思いました。
所感まとめ
以上の動きを比較した結果思ったことをメモしておきます。
- 全世界で株価はかなり連動している
- 債券は株価に連動しない
当初知りたかったことに関しては、こんな風な感想を持ちました。
みなさんはどうでしょうか?
あとは、
- やっぱり自分は世界株式1本作戦かな
- 新興国株に現地点では割安感がでているな
- これが現状ではなく、人の期待値で株価が動くということか、
- つまり、平均回帰線の威力?
という感想をもちました。
また、思ったよりスッと実情に合わせず株価だけ戻った印象ですが、やっぱり予想なんて出来ないですね!
今後の動きも時折確認したいと思います。
とりあえず、問題は感じていないので、特に何もしません。笑
以上、今後の資産配分の参考にしていただけましたら幸いです。
最後に、リターンばかりに目が眩んで大事なリスクを忘れている方には、ぜひ「お金は寝かせて増やしなさい」を一度読むことをオススメします。
1000円ちょっとのこの本を読んどくだけで、大きな失敗を未然に防いで資産投資に邁進できると思うので、かなり安い投資です。
インデックス始める前の人にはもちろん、既に始めた人にもオススメなので、読んでいない人いましたら、在宅時間の隙間にぜひどうぞ。
ではでは、今日も素敵な1日にしていきましょう。